ジープ&ジュリエッタで行く、夏の信州ドライブ
掲載 更新 carview! 文:まるも 亜希子 /写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:まるも 亜希子 /写真:篠原 晃一
最短距離が、かならずしも最善の道とはかぎらない。人より速く走ることが、人より幸せかどうかなんてわからない。
そんなことを教えてくれるクルマたちと、27時間のショートトリップ。いや、これは一瞬の夏のアバンチュールだったのかもしれない。私の肩にはいまだうっすらと、シートベルト型の日焼け跡が残っているし、途中ふと迷い込んだ一面の田園風景は、あれから何度も思い返すほど私を虜にしている。
そんなアバンチュールを仕掛けてくれたのは、ユニークな経緯をたどって現在の形態に落ち着いた、6つのブランド擁するフィアット・クライスラー・ジャパンである。フィアット、アルファ・ロメオ、アバルト、ジープ、クライスラー、SRTと、生い立ちも歴史もさまざまなブランドたち。それらのPR、販売、サービスなど一連の業務を日本で統括しているわけだが、すべてのブランドが「根底の部分では共通したものを持っている」と言い切るのが清々しい。
その、共通していると言い切るものとは、「クルマを愛する情熱」だ。こういう言葉を、堂々と言える会社はどれぐらいあるだろうか。偉大な歴史を築いたとか、技術革新に挑むとか、ドイツ車が掲げるような理念ももちろん素晴らしいし、必要だ。けれど、クルマを愛する情熱という言葉は、もっとずっと素の部分に立ち返ったもので、すごくシンプル。なのに、なぜか胸の奥にズバッとくる重みと、深みがあるように感じた。
軽井沢の透き通るような青空のもとで、私を待ち構えていた個性派ぞろいのクルマたち。まず相棒に指名したのは、タフでワイルドなクルマの代名詞となっているこの1台だった。
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